私の中のもう一人の“わたし” ~多重人格者の恋~

お母様から加奈子さんと大輔さんの恋物語を聞かせていただいてたりしたら、剛史さんが2階から降りて来た。


「二人で何話してんだ? まさか俺の悪口じゃないだろうな?」

「そうよ。よくわかったわね?」

「お、お母様ったら……。お姉様と大輔さんの事を聞かせていただいてたの。素敵なお話だったわ」

「ふーん。裕美、もう少しだから」

「は、はい」

「剛史、適当なところで止めといたら? 裕美さんにかっこつけたいのは解るけど、切りがないでしょ?」


お母様は、剛史さんが部屋の片付けをしていると思い込んでるけど、そうとは知らない剛史さんは、不思議そうな顔でお母様を見ている。


「何を言ってるのかよく解らないけど、歯ブラシの新しいのないかな? あ、それとシェーバーとか俺用のシャンプーとかボディソープなんかの買い置きないかな?」

「はあ? そんな物、何に使うのよ? 旅行にでも行くの?」

「あれ? 裕美から聞いてないのか?」


わ、私から!?
言えるわけないでしょ? 『剛史さんは今日も私の家にお泊まりします』なんて事……

それどころか、剛史さんがお母様にどう説明するのか。そしてお母様はそれを許してくださるのか。それが私はとても気になっていた。