私の中のもう一人の“わたし” ~多重人格者の恋~

「驚いた?」

「え、ええ、少しですけど……」


今時、同棲なんて珍しくも何ともないけど、剛史さんのお姉さんは真面目な人、というイメージを自分で勝手に描いていたため、少しどころか結構驚いてしまった。


「私も驚いたのよ? 今まで殆ど男っ気がなかった加奈子が、急にそういう事になったんですもの」

「あの、どうして結婚しないんですか? あ、私ったら、差し出がましくてすみません……」

「ううん、いいのよ、気にしないで? それにはね、それなりの事情があるの。実はね、加奈子の彼氏、大輔君っていうんだけど、彼はまだ学生なの」

「えーっ? じゃあ、お姉様より年下なんですか?」

「そう。8つも下なの。大輔君は2年か3年後にはお医者さんになれるんだけど、結婚はその時にするみたいなの」

「お医者さんですか? はあ〜、そうなんですね……」


お姉様って、すごい恋をしているみたいで、私は俄然興味が湧いてしまった。