私の中のもう一人の“わたし” ~多重人格者の恋~

「今夜は賑やかになるわ……」


というお母様の気になる呟きに、思わず私は「はい?」と聞き返していた。


「今夜ね、急に剛史の姉の加奈子が来る事になったのよ。彼氏と一緒に、晩ご飯を食べさせろって……」

「あ、そうなんですか?」


剛史さんに2つ上のお姉さんがいる事は聞いていた。でも、今のお母様の口振りだと、ここには住んでいないのかしら……


「早くも家事が嫌になっちゃったのかしらね?」

え? という事は……

「お姉様は新婚さんなんですか?」

という事になると私は思った。


「あら。剛史から聞いてないの? 加奈子の事……」

「はい。何も……」

「もう、あの子ったら……。加奈子はね、彼氏と同棲を始めたのよ」

「ど、同棲ですか!?」