私の中のもう一人の“わたし” ~多重人格者の恋~

「さすがに会社にいる間は大丈夫だと思うが、念のためなるべく一人にならない事」

「トイレは?」

「あ、それは例外。昼飯は俺と行き、それ以外は外に出ない事」

「私、内勤だからね」

「いちいち口答えしない!」

「はーい」

「あ、それと……、面会者が来ても一人で会いに行かない事」

「え?」

「アキラが俺に接近したのがそのやり方だったからね。また同じ手を使わないとは限らない」

「なるほどね……」

「後で携帯のIDとパスワードを教えてくれ」

「へ? どうして?」

「もしもの時にGPSで君を探すためさ」

「ああ、そうか」


なんてね。実はよくわからないんだけども。


「帰りは俺と一緒に帰る事。俺、ずっと裕美のアパートに泊まるから」

「えーっ?」

「イヤなのか?」

「そうじゃないけど、あなたは大丈夫なの?」

「俺は大丈夫。あ、そうだ。着替えとかを取りに行くから、今夜は俺の家まで付き合ってくれ。以上だが、何か質問は?」

「ありません! 全て了解であります!」


私はふざけて敬礼をしてみせた。剛史さんは一瞬「あはは」と笑ったけど、すぐに真剣な顔に変わった。


「俺は君を全力で守るから、俺を信じてほしい」

「剛史さん……」


俺様でヤキモチ妬きな彼だけど、逞しくて優しくて、大好き。