「ううん、寂しくない。むしろさっきも言ったように、私の中で力がみなぎってると言うか、パワーアップしたみたいな、そんな気がするの」

「そうか。じゃあ良かったじゃないか。俺は助かるよ。今までは二股してるみたいだったからね」

「二股? でも、剛史さんにしてみれば確かにそうだったのよね?」

「そうだよ。結構気を使ってたんだぜ。裕美と“裕美ちゃん”のどちらも怒らせないようにってね」

「それはご苦労さまでした」

「それにしても、どうして急に統合したんだろうね?」

「さあ……」


言われてみれば、そんな兆候があったような気がするけど、今となっては思い出せそうもなかった。


「ああ、そうか……」

いきなり剛史さんはそう言うと、私の顔を覗き込んでニヤッと笑った。


「何よ?」

「考えてみたらさ、結合して統合したんだなあ、と思ってさ」

「結合って?」

「ん? 俺と君がさ、ココで……」

「ちょっと、どこ触って……」

「今から“再結合”するか?」

「だ、ダメよ。もう起き出さないと、会社に遅れちゃうでしょ?」

「ちぇっ」


と言いながら、昨夜の事を思い出して体の芯が疼いた事は、剛史さんには内緒にしておこうっと。