私の中のもう一人の“わたし” ~多重人格者の恋~

「それは、中学の時の事がトラウマになってたからかい?」

「それもあるけど、もう一人の“わたし”がブレーキをかけるから……」

「“裕美ちゃん”だね? そうか、俺は裕美ちゃんに感謝したい気持ちだよ」

「え?」

「俺、身勝手かもしれないけど、君が他の男に抱かれるなんて、考えただけで気が狂いそうになる」

「それって、ヤキモチ?」

「たぶん。あ、今回も裕美ちゃんは“ブレーキ”をかけるのかい?」

「ううん、大丈夫。あの子も了承済みよ? あなたには」

「よかった。ありがとう、裕美ちゃん」


最後の布を剛史さんに剥ぎ取られ、私は私の全てを彼の目に晒された。ああ、恥ずかしいわ……


「なるべく力を抜いて、リラックスして? 優しくするから、心配は要らないよ?」

「うん」


そして丁寧な彼の愛撫の後……


「もし我慢出来なかったら止めるから、無理しなくいいからね?」

「うん……あ、痛っ」

「止めるかい?」

「ううん、止めないで?」


私は剛史さんの背中にしがみ付き、痛みに耐えた。その時……


『ああ……』


“わたし”の喘ぐような声が聞こえたのだけど、あの子の声を聞いたのは、それが最後だった。