気持ちが落ち着いたらお腹が空いちゃった。あ、剛史さんはどうなのかな?


「剛史さん、ご飯は食べたの?」

「いや、食べてないよ」

「そうなんだ? じゃあ、何か作るね」


スーパーで買い物しておいてよかったわ。


「何がいいかしら? って言っても私、あまりレパートリないんだけど……」

「何でもいいよ。腹さえ膨らめば」

「そう? だったら、サラダとパスタでいい?」

「いいよ、それで。アルコールはあるのかな?」

「缶ビールで良ければ」

「おお、それで十分だよ。じゃあ俺はその間にシャワーを使わせてもらおうかな」

「どうぞ、どうぞ」

「では早速……」


と言って剛史さんは立ち上がったのだけど……


「いけねえ。着替えが無いや。Yシャツやズボンはいいとしても、下着はちょっとなあ。近くにコンビニあるかい?」

「少し歩いた所にあるけど……」

「じゃあ買って来るな?」

「待って!」


私は行きかけた剛史さんを慌てて呼び止めた。少しの間でも一人になるのは怖いし寂しいから。でも、それを言うのは恥ずかしいし……あ、そうか。


「洗濯するわ。乾燥機にかければすぐ乾いちゃうから」

「下着だぜ?」

「わ、わかってるわよ」


下着と言えば肌着や靴下、それに……パンツ。剛史さんってどんなパンツを履いてるんだろう、なんて想像したら、顔がカーッと熱くなってしまった。


「やっぱり買いに行くよ」

「だ、大丈夫だから。洗っておきます!」

「そうか? じゃあ頼むわ」