私の中のもう一人の“わたし” ~多重人格者の恋~

「そうさ。考えてみてごらん? もし君がいなくなり、裕美だけになったらどうなるか。おそらく仕事をサボリまくり、遊びまくってどうしようもない人間になるだろ?」


ちょっと、いくら何でもそれは言い過ぎじゃない?


「確かにそうですね」


おい!


「それに俺、裕美ちゃんの事も好きだよ」

「えっ?」

「誰かさんと違って性格が良くてさ。俺にはもったいないぐらいだ」


どうせ私は性格が悪いですよ!


「そうなんですか? じゃあ、これからは性格が悪くなるように努力します」

「そ、それはやめた方がいい。無理に自分を変えちゃいけない。君は君らしくいてほしい」

「そうですか?」


当たり前でしょ? あんたの存在意義はそこなんだから。


“わたし”の機嫌は直ったみたいだけど、今度は私の気分が落ち込んでしまった。私って、そんなに性格悪いかな?

もしかすると、“わたし”が言った通り、私が解離した人格なのかもしれない。“わたし”に内在していた悪が、人格として解離したのが私だったり?

ちょうど『神様』から『ピッコロ』が解離したように……