「“冗談はやめろよ”と言おうとしたら、“薫の弟のアキラと申します。姉がいつもお世話になってます”とそいつは言って、ペコンと俺にお辞儀をしたんだ。その声の感じが玉と違うし、玉みたいになよっとしてないから、ひょっとしたら本当に弟なのかなと俺は思ったよ。“姉”と聞こえたのも、“兄”の聞き違いだろうと思った。
ロビーでじっくり話したら、聞き違いじゃなかったとわかったんだ。アキラは玉を本気で姉だと思ってて、しかも玉と俺は恋人同士だと思い込んでた。そして俺が浮気をしたと言って、俺を責めた」
「ああ。それでアキラはあなたに会いに来たわけね?」
「そうなんだ。アキラはどうやらシスコンで、“姉”のためなら何でもやるって感じのヤツだな。聞いてて怖くなったよ。“浮気をやめてくれないと、どうなっても知りませんよ”なんて捨て台詞を残してアキラは帰って行ったんだ」
「どこへ?」
「はあ?」
「アキラはどこへ帰ったの? 家だったら、玉田さんは早退したって事になるわよね?」
「……ああ、確かに。しかし君も変な所に食いつくんだな?」
「総務ですから」
「なるほどね。話を続けていいかな?」
「ごめんなさい」
岩崎さんの、怖いけど興味深い話はまだまだ続いた。
ロビーでじっくり話したら、聞き違いじゃなかったとわかったんだ。アキラは玉を本気で姉だと思ってて、しかも玉と俺は恋人同士だと思い込んでた。そして俺が浮気をしたと言って、俺を責めた」
「ああ。それでアキラはあなたに会いに来たわけね?」
「そうなんだ。アキラはどうやらシスコンで、“姉”のためなら何でもやるって感じのヤツだな。聞いてて怖くなったよ。“浮気をやめてくれないと、どうなっても知りませんよ”なんて捨て台詞を残してアキラは帰って行ったんだ」
「どこへ?」
「はあ?」
「アキラはどこへ帰ったの? 家だったら、玉田さんは早退したって事になるわよね?」
「……ああ、確かに。しかし君も変な所に食いつくんだな?」
「総務ですから」
「なるほどね。話を続けていいかな?」
「ごめんなさい」
岩崎さんの、怖いけど興味深い話はまだまだ続いた。



