「あなたは、アキラ君では……?」

「違う。コウジだ」


やっぱりか。瞬時に切り替わっちゃったんだ……


「時間がないそうだから、すぐにヤルぞ」

「やるって、何を……?」

「決まってんだろ?」


と言うが早いか、コウジという男は私をソファーに押し倒し、上にのし掛かってきた。


「イヤ! やめて!」

「いいねえ……もっと喚け」


男は私のブラウスの前を両手で掴むと、間髪をいれずにビリッとそれを引き裂いた。


「ヒュー。結構いい胸してんじゃねえか……」

「見るな、バカ!」

バシッ

私は顔を男におもいきり叩かれ、目の前に火花が飛んだ。


「てめえ、バカって言ったらただじゃおかねえかんな!」


私は、頬の焼けるような痛みと共に、男に抵抗する力も気力も萎えていくのを感じた。

そうだ。あの時と同じ事をしよう。あの中3の時と。そうすれば、また誰かが助けてくれるかもしれない……


私は目を固く閉じ、心の中で強く念じた。

これは私ではない。私がこんな仕打ちを受けるわけがない。私じゃない、私じゃない……


そして私は、意識を手放した。