「何?」


アキラ君は不機嫌そうな顔で私を睨んだけど、もちろん怯んでなんかいられない。


「君、薫さんの裸を見た事あるでしょ? 付いてたはずよ? アレが……」

「“アレ”って何?」


いや、そう聞かれましても……

「アレと言ったらアレに決まってるでしょ?」

「わかんねえよ。ちゃんと言え」

「ちゃんと? それは無理だけど、君にも付いてるはずよ? 体の真ん中に、男の子特有のアレが……」


私は言ってて我ながら恥ずかしく、しかも、こんな時だというのに剛史さんのアレを思い浮かべちゃったりして、顔から火が出るほど恥ずかしくなってしまった。


「…………!」


アキラ君はやっとアレが何かに気付いてくれたらしく、一瞬で顔をポッと赤く染めた。


「お、おまえ下品!」


うっ。でも、めげないもんね。


「薫さんにも付いてるでしょ? 君のと同じ、アレが……」

「黙れ! 僕は薫姉さんの裸を見た事なんかない! そんなハレンチな事するわけないだろ!?」

「えっ? そうなの?」


それじゃダメじゃん。

私がガックリうな垂れていると、何処からかブーブーという音が聞こえてきた。