「なんだよ、寝ぼけてんのか?」
マスクをした男、確かコウジと名乗ったその男の声で、私は我に帰った。これは夢じゃなく、現実なんだわ。
私は上体を起こして後ろにずれ、少しでも男から離れたいと思った。そしてそうしながら、自分の体と周囲に目を走らせた。
ここは倉庫みたいな建物の中で、埃っぽく、カビのような臭いがする。コンクリートの床の上に薄汚れたダンボールが無造作に敷かれ、私はその上で寝ていたらしい。寝かされていたと言うべきか。
私はタクシーの中でこの男に何かの薬を嗅がされ、意識を失った。その後どのくらい走り、どのくらい時間が経ったのかわからないけど、私はこの男によってここに運ばれたに違いない。
こんな男に体を触られたと思うと気持ち悪いけど、衣服に乱れはない。つまり、私はまだ無事って事だと思う。
「安心しな? 俺はまだ手を出してねえから。寝てる女をヤってもつまらねえからな」
そう言って男はクククッと笑い、顔からマスクを外した。
「どうだ? この顔に見覚えあるか? 驚いたろ?」
露わになった男の顔は、玉田さんの顔であり、前に宅配便に成りすまして家に来た男の顔だけど、そんな事はもうとっくにわかっている。
「今さら驚かないわよ。バカじゃないの?」
そう。このコウジと名乗る男、玉田さんの別人格にしてはちょっと頭が悪いような気がする。
「くそっ。生意気な女だ」
男は怒り、私の胸元に手を伸ばしてきた。
「イヤ! 私に触らないで!」
私は男の手を跳ね除け、立ち上がろうとしたのだけど……
マスクをした男、確かコウジと名乗ったその男の声で、私は我に帰った。これは夢じゃなく、現実なんだわ。
私は上体を起こして後ろにずれ、少しでも男から離れたいと思った。そしてそうしながら、自分の体と周囲に目を走らせた。
ここは倉庫みたいな建物の中で、埃っぽく、カビのような臭いがする。コンクリートの床の上に薄汚れたダンボールが無造作に敷かれ、私はその上で寝ていたらしい。寝かされていたと言うべきか。
私はタクシーの中でこの男に何かの薬を嗅がされ、意識を失った。その後どのくらい走り、どのくらい時間が経ったのかわからないけど、私はこの男によってここに運ばれたに違いない。
こんな男に体を触られたと思うと気持ち悪いけど、衣服に乱れはない。つまり、私はまだ無事って事だと思う。
「安心しな? 俺はまだ手を出してねえから。寝てる女をヤってもつまらねえからな」
そう言って男はクククッと笑い、顔からマスクを外した。
「どうだ? この顔に見覚えあるか? 驚いたろ?」
露わになった男の顔は、玉田さんの顔であり、前に宅配便に成りすまして家に来た男の顔だけど、そんな事はもうとっくにわかっている。
「今さら驚かないわよ。バカじゃないの?」
そう。このコウジと名乗る男、玉田さんの別人格にしてはちょっと頭が悪いような気がする。
「くそっ。生意気な女だ」
男は怒り、私の胸元に手を伸ばしてきた。
「イヤ! 私に触らないで!」
私は男の手を跳ね除け、立ち上がろうとしたのだけど……



