会社の正面玄関を飛び出すと、ちょうど目の前の路上に一台のタクシーが停車していた。私はそれに駆け寄ると助手席の窓をコンコンと叩き、後部のドアが開いたのですかさず車内に体を滑り込ませた。
「本郷のT大病院まで、急いでください!」
と私が告げると、運転手さんは白いマスクをしていて、くぐもった声で「はい」と頷き、すぐにタクシーは走り出した。
私は念のため真由美から渡されたメモを見て、運転手さんに告げた病院の名前が間違っていないかを確認していたら、「お客さん?」と運転手さんから話し掛けられた。
「はい?」
「怪我した人のお知り合いですか?」
「え、ええ。でも怪我をしたって、よく知ってますね?」
「救急車で運ばれて行くのを見てましたから……」
「ああ……」
やっぱり本当なんだわ。
「何でも、ナイフで腹を刺されたそうですが、心配ですね?」
「はい。それはもう……」
「失礼ですが、お客さんはその男性と特別な関係ですか?」
「はい?」
何を言ってるのかしら、この人。黙って運転してくれればいいのに……
「本郷のT大病院まで、急いでください!」
と私が告げると、運転手さんは白いマスクをしていて、くぐもった声で「はい」と頷き、すぐにタクシーは走り出した。
私は念のため真由美から渡されたメモを見て、運転手さんに告げた病院の名前が間違っていないかを確認していたら、「お客さん?」と運転手さんから話し掛けられた。
「はい?」
「怪我した人のお知り合いですか?」
「え、ええ。でも怪我をしたって、よく知ってますね?」
「救急車で運ばれて行くのを見てましたから……」
「ああ……」
やっぱり本当なんだわ。
「何でも、ナイフで腹を刺されたそうですが、心配ですね?」
「はい。それはもう……」
「失礼ですが、お客さんはその男性と特別な関係ですか?」
「はい?」
何を言ってるのかしら、この人。黙って運転してくれればいいのに……



