「雄ちゃん!」


恵理子は叫んだ。


愛しい彼が助けに来てくれた。


「恵理子!」


雄ちゃんが遮断機の下をくぐって、こっちに向かってきてくれている。





それが恵理子が見た最後のビジョンだった。




けたたましいクラクションと、ブレーキ音の後、


激しい衝撃が、恵理子の意識を奪い去った……。