机の前迄ゆっくりと歩き、
1メートル程 離れた所で止まる。
頭を下げると、彼は大楊に頷いた。
「テューロ。
次の仕事が決まった。」
「はい。」
「お前と、後2人。
3人で、王国へ行って貰う。」
……は?
一瞬、息が止まった。
王国に、行く?
驚きを顔に出さないよう注意しつつ
所長の顔を見つめると、
俺の表情で何かを悟ったのか、
彼は笑った。
「そうだ。
王国のスパイだよ。
お前は優秀だから、
きっと帰って来れると信じている。」
所長の言葉等、
途中から頭に入っていなかった。
王国へスパイとして侵入する事。
それは、即。
――死を意味している。


