Loneliness




テューロの独房へ行くと、
彼は俯いていた。
寝ている訳では無さそうだ。



格子の鍵を開け中に入る。
日里と瞬は格子の外から
見学するみたい。



テューロの目の前で立ち止まると、
彼は怠そうに顔を上げた。



熱が上がっているのか
益々 苦しそうな顔を している。



「傷の具合は どうかしら?」


「……どっかの誰かさんが
荒療治を してくれた お陰で、
順調に回復しつつある。」



テューロの皮肉に、
思わず笑ってしまう。



帝国のスパイなのに、不思議と
嫌ったり憎んだり出来ないのは、
彼が同年代の所為だろうか。



「それは良かったわ。」



そうして跪き、
蒼い前髪の間から額を触ると、
テューロは僅かに目を瞠った。



やっぱり熱は上がっているようだ。
40度くらいは在るかも知れない。



「苦しい?」


「……俺が苦しもうが
どうしようが、
お前には関係無いだろう?」



冷静な指摘に あたしだけじゃなく
後ろに居る日里と瞬も笑ったみたい。