10年前。 スパイ育成所に編入した時、 俺は決めたじゃないか。 俺に大切なものなんて無い。 家族も、友達も、感情も。 持っていれば苦しむだけだと。 俺の価値は、金貨10枚。 それが詰まった袋と共に、 自由を手放すのだ、と。 だから。 「どうでも良い。」 俺は。 必要無いんだ。 皆が大切にしている存在も。 それぞれが持っている自由も。 祖国の為に生き、 祖国の為に死ぬ。 それが、 俺の生きる道なんだ――。