Loneliness




俺の答えに、
刹那は ぽかんと口を開いた。



そう言う顔を すると、
氷のように冷たい顔を していた彼女は
とても暖かく優しい少女に見える。



そんな彼女の深い黄金の瞳を、
真っ直ぐに見つめた。



何故か彼女になら
俺が ずっと秘めている想いを
話しても良い。



そんな気がした。



「俺は、あの国が大嫌いだ。」


「はい?」


「あんな国、滅んでしまえば良い。」



10年間、密かに想い続けて来た、
心の奥底に眠る憎しみ。



気が付くと、
それを吐き出していた。



益々 口を ぽかんと開けた刹那は、
それでも必死に言葉を紡いだ。



「家族は? 仲間は?」



その言葉に、脳裏に浮かぶ顔。



もう はっきりと思い出せない
彼女等と。
1年間 共に過ごした……友達。



その姿を、俺は頭から消した。