Loneliness




「何でも無い訳 無いでしょ。
ちょっと見せて。」



「お、おい……っ。」



慌てて止めようとするが、
俺の両手は枷で繋がれている。
為す術無く、服を捲られた。



驚いた刹那が、息を飲んだのが解った。
自分で見れない俺は
傷の状態なんて解らないけれど、
女には衝撃的なのではないかと
少し心配に なった。



けれど次に発せられた刹那の声は、
思っていたより ずっと
落ち着いていた。



「ちょっと、
何で誰にも言わなかったのよ。」


「……言って どうする。」



刹那は割と頭の回転は速そうだ。
俺が この傷で自殺を謀っていた事等、
説明しなくても解るだろう。



そう思った時
目に入った光景を見て、
俺は思わず顔を引き攣らせた。



薄暗い空間に浮かぶ、
銀色の鋭利な光。



刹那の手には、
短剣が握られていた。