刹那は そんな俺の様子に
小首を傾げると、
顔を近付けて来た。
「あたしと、寝る?」
彼女の熱い吐息が耳に掛かる。
何故だか解らないが、
心臓が ばくばくと音を立てた。
思わず顔を背けて
刹那の口から逃れる。
顔が赤くなっている事を自覚した。
すると、太腿に体重を感じた。
ぎょっとして、思わず見ると、
予想通り刹那が俺の足に跨っていた。
……こいつ、何が したいんだ……。
刹那は にっこり笑った。
「そんなに恥ずかしがらなくても
良いじゃない。」
「……頼む、辞めてくれ……。」
気付いた時には、そう呟いていた。
口を利かないと、
決めていた筈だったのに。
何でも良いから、触れないで欲しい。
心臓が、変に なりそうだ。


