ぱあんっ。 独房に、乾いた音が響く。 気が付くと、 あたしはテューロの左の頬を、 思いっ切り張っていた。 「最っ低!!」 あたしは赤く腫れ上がって行く テューロの頬に向かって叫んで、 独房を飛び出した。 八つ当たりだって、解ってる。 でも、あたしは。 あたしは。 寂しくても。 虚しくても。 父さんの為に生きるって――。