Loneliness




「良い?
あたしが手当てするのは
あくまで大事な情報源である
あんたを死なせない為だから。」


「そんな事 頼んでいないだろう?」



テューロは躰を捻じって
あたしの言葉に言い返す。



あたしは それには答えず、
手にした短剣をテューロの傷口へと
突き立てた。



「ぐっ……ああああぁぁああぁっ!!」



テューロの絶叫が独房に木霊する。
彼の手首の枷から伸びた鎖が、
がしゃんと金属音を奏でた。



あたしは短剣で膿みを こそげ落とす。



不意にテューロの足が
あたしの足首を捉えた。



「きゃっ!」



突然の事に あたしは尻餅を付く。
テューロは肩で息を しながら
此方を見た。
汗が一筋、頬を伝って落ちた。



「……ほっといてくれ。」



何も言わずに このままの環境で居れば、
テューロは死ねた筈だし、
彼も それを望んでいた筈だ。



けれど あたしは
それを許す訳には行かない。