久し振りに見たテューロは、
とても やつれていた。
綺麗だった蒼い髪は艶を失い
ぱさぱさに なっていて、
熱が在るのか
銀の瞳が微かに潤んでいる。
躰は黒い痣で一杯で、
口の端から血が流れていた。
彼の服や床は、吐瀉物で汚れている。
血と汗と汚物の臭いが鼻を突いた。
それでも、変わらない。
彼の、暗く鬱屈した、けれど鋭い瞳は。
あたしの姿を認めたテューロは、
直ぐに ぐったりと俯いた。
あたしは彼に近寄ると、
顎に手を当てて顔を上げさせた。
苦痛に歪んだ瞳と目が合う。
拷問の所為か
やっぱり熱が在るみたいで、
驚く程 熱かった。
初めて見た時も思ったけれど、
相変わらず綺麗な顔。
顔を上げさせたまま、
あたしは口を開いた。
「……ねぇ、あたしと遊ばない?」
そう言いながら
テューロの首筋を撫でると、
彼は驚いた事に びくんと躰を震わせた。


