一体 何人の男と寝ただろう。
あたしは、自分が大嫌い。
汚れてるから。
父さんの役に立ちたくて、
あたしでも出来る事を しようって
決めた。
寂しくなんかない。
虚しくなんかない。
あたしは、
父さんに必要と されているだけで、
良いから。
つらつらと そんな事を
考えている内に、
目的の独房に着いた。
「……それじゃあ、
頼んだよ、刹那。」
鍵を あたしに手渡し、
父さんは今 来た道を戻る。
あたしが見て欲しくないって
思ってる事、
父さんは解ってるから。
手渡された鍵で、
鉄の格子を開けて中に入る。
あたしの気配に気付いた
スパイ――テューロが、
ゆっくりと顔を上げた。


