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「……なぁ、テューロ。
俺達いつ迄スパイなんかな?」
朝の訓練の最中、監視の目を盗み、
レンドは話し掛けて来た。
「さぁな。」
即答する。
俺は他人と関わるのが嫌いだ。
理由を訊かれても困る。
唯、面倒臭いだけだ。
そんな俺は周りから煙たがられているが、
何故かレンドだけは
懲りずに話し掛けて来る。
友達や親しい者が居ない訳ではないし、
きっと人懐っこいか、
浮いている奴は可哀想、
なんて言う考えの お人好しなんだろう。
「だってさ、もしも王国に行かず、
国で仕事してるだけならさ、
60歳くらいに なったら定年なんかな?」
「…………。」
「そうなったら、どうやって生きてくんだ?」
「…………。」
レンドの質問には答えられない。
管理所に所属している限り、
寝る場所は困らないし、
飯にも必ず在り付ける。
自立 出来るかと訊かれれば、
答えはNoだった。


