【Talk:刹那】
「刹那、刹那ってば!」
部屋のドアが
ノックすら されずに開けられる。
其処に立っていたのは従妹でもあり
友達でもある日里だった。
「お父様が呼んでるよ。」
「解った。直ぐ行く。」
そう言って立ち上がると、
日里は あたしの隣に並んで歩き出した。
「聞いた?
王立騎士団が帝国のスパイを
捕まえたんだって。」
「捕まえた?
殺したじゃなくて?」
日里の言葉に眉を顰める。
この王都に潜入して来る帝国のスパイは、
いつも王立騎士団が殺して、
見せしめとして帝国に送り返している。
捕まえたと言うのは、前代未聞だった。
「うん。
今迄は殺してたけど、
逆に利用してやろうって話に
なったらしいよ。
それでね、その人、
瞬を殺し掛けたから、
団長が滅茶苦茶 怒ってるらしいよ?」
「瞬を?」
瞬は団長の息子であり、
あたしと日里の友達でもある。
ちょっとヘタレな所も在るけど、
剣の腕は確かな筈。


