「君の名は?」
これは。
最初は俺の事を問い、
その内 帝国の情報を流すよう
上手く操る気なのか。
僅かに逡巡した時。
「……ぐっ!」
団長の蹴りが俺の腹に入った。
喉の奥から塊が込み上げる。
吐かないよう ぐっと堪えた瞬間、
今度は右の こめかみを殴られる。
我慢 出来ずに吐くと、
所長は一歩 後ろに下がった。
口を拭おうにも、
痛む腹を押さえようにも、
両手の自由は奪われている。
無防備な状態で攻撃される事に
恐怖を覚えた。
団長は俺の前髪を引っ掴み、
顔を上へ上げさせる。
「身を弁えろ。
貴様は唯の囚人だ。
拒否する事は許されない。」
歯を食い縛り頷くと、
団長は手を離した。
「もう1度 問おう。
君の名は?」
所長の言葉に目を瞑る。


