王国の王都へ入り、
外れに在る小さな貸家に入る。
「今日から此処が私達の家だ。」
「はぁー!?
こんな狭い所に男3人かよー!!」
リティリーの言葉に
フェイルが盛大に文句を言う。
それに苦笑いを しつつ、
リティリーは荷物を下ろした。
「私達の任務は、王立騎士団の弱点、
戦争の勝利方法、
国王の考えを調べる事だ。
王立騎士団の拠点である
王都で行動する為、
少しでも へまを すれば直ぐに捕まるぞ。
万が一 身元が特定された場合、
他の2人に迷惑が掛からぬよう
即座に王都から逃亡する事。」
リティリーの言葉に頷く。
フェイルは ひらひらと手を振り、
貸家から出て行く。
「捕まんなきゃ良いんだろ、
捕まんなきゃ。」
危機感も責任感も無い発言。
フェイルが
任務の失敗の原因となる確率が
高いであろう事は容易に想像 出来る。
そして。
その日は大して遠くでは無かった。


