元は1つの大陸だったから、
時和王国とアーエン帝国は繋がっている。
船で海を渡る必要が無いから、
異国よりは余程 行きやすい。
それでも交流が全く無いのは
戦争中であり、
両国が人の出入りを
全面的に禁止している為だ。
国境は殆どが戦場と化している為、
俺達はライン山脈と言う所へ向かい、
其処から王国に侵入した。
旅の道中、俺達3人は
他愛も無い話を した。
話している中で、
やはり初対面の時に感じた通り、
フェイルとは気が合わないだろうと
感じた。
責任者であるリティリーは、
落ち着いた物腰で物事を見極められるし、
歳下で、地位も下である
俺とフェイルに対して、
礼儀を持って行動しているようだった。
一方フェイルは、
責任者であるリティリーに対しても
横暴な態度だし、
俺の事は完全に見下しているようだ。
常に文句を言っている所を見ると、
スパイは向いていないのでは
ないかとさえ思えた。
元から つるむのは好きではないし、
彼等の人柄等どうでも良い。
しかし共に仕事を する以上、
必要最低限に交流する必要が在った。
そうして俺達は、
リティリーの統率の下、
王国へと入ったのだった。


