昔、決めた事が在る。 何に対しても、 何も思わないように しよう、と。 そうすれば、もう傷付かなくて良い。 俺の命は、俺の為に在るんじゃない。 一見 自由に見えても、 俺の足には常に枷が付いていて、 それから伸びる鎖は、 常に誰かの手中に在る。 祖国の為に生き、祖国の為に死ぬ。 あの日――全てを喪った俺は、 そう決めた。 でも、それなら俺は何故、 まだ生きようと している? 何故、こんなにも、生に執着する? 俺は―― ――何の為に、生きている……?