Loneliness




「…………っ!!」



瞬時に理解する。
僕の横を走り抜けた この男は、
リューを追うつもりなんだと。



咄嗟に手を伸ばし、
指先に触れた布を引っ掴む。



「うわっ!!」



いきなり服の裾を捕まれた男は
後ろに くんっと引かれた事で
バランスを崩し、
走っている大の大人を
必死に引っ張った僕も体勢を崩す。



その男と僕は、盛大に地面に倒れ込んだ。



咄嗟に取った受け身で何とか急所を守り、
起き上がろうと地面に手を付く。



「……うっ!」



その手に激痛が走り、僕は短い悲鳴を上げた。



見れば一緒に転んだ男が、
僕の手を靴の踵で踏み付けていた。



「てめェ!! 痛ェじゃねェかよ!!」



どうやら転ばせた事で
怒りを買ってしまったらしい。
彼は そのまま ぐりぐりと足に力を込めた。



「……うあっ……くっ……。」



悲鳴を上げては いけない。
泣いては いけない。



それを してしまったら、
彼等は余計 調子に乗る。
けれど解っていても、
手に走る激痛に、短い悲鳴を上げてしまった。



「生意気な餓鬼だぜ。」



どうやらリューを追うのは辞めたようで、
男達 全員が地面に俯せに倒れたまま
動けない僕を取り囲んだ。