ごおっ、と風が吹き込む。
独特な匂いを嗅ぎ取り、
咄嗟に右手で鼻と口を覆う。
間違いない。
恐らく、あのクーラーのような機械から
この部屋に、所長の言っていた
猛毒とやらが吹き込まれて居るのだろう。
改めて、部屋を見渡す。
窓は1つも無い。
出入り口は俺が入らされた所だけ。
恐らく外から鍵を掛けられただろうから、
内側からでは開かないだろう。
毒が吹き込まれている場所の直ぐ隣に、
カメラが1つ。
俺が死ぬ姿を見ようと言う事か。
悪趣味だ。
死体となって部屋から出されるだけでは
済まないのだ。
ゆっくりと、部屋の空気を
余り動かさないように、床に腹這いに なる。
毒は上から吹き込んでいるし、
上に溜まりやすいと聞いた事が在る。
確証は無いが、
床に近い方が害は少ない気がする。
そのまま ほふく前進をし、扉に近付いた。


