【Talk:刹那】
「待って!!」
気付けば、悲鳴のように声を上げ、
父親に向かって駆け出していた。
止めるつもりなんて無かった。
唯、テューロの取引を
承諾した身として、
彼に密かに恋心を
抱いてしまった身として、
テューロの処刑を見届けなければと、
日里と瞬と共に、
遠くから様子を伺っていた。
それなのに。
「辞めてっ!! テューロを殺さないでっ!!」
叫んで、初めて気付く。
受け入れたつもりで、
あたしは何も覚悟 出来ていなかった。
愛した人が殺されるのが、
こんなに怖いなんて。
「刹那!?」
父さんが、驚いたように
あたしの手首を掴む。
「何を言っているんだ!?」
「父さん……父さん……御免なさい、
あたし……あたし……。」
涙で ぼやけた視界に、
テューロの姿が映る。
汚物や血で汚れていても綺麗な、
蒼い髪。


