Loneliness




【Talk:テューロ】



「……テューロ。」



名前を呼ばれ、のろのろと顔を上げる。



薄暗い独房の向こう側――格子の外に、
瞬が居た。



「テューロ、処刑日が決まった。」


「……そうか。」



そう答えて再び俯くと、
それを これ以上 話したくないと言う
意味だと思ったのか、
瞬は僅かに俊巡した後、
独房を離れて行った。



殺される。



死は、10年前の あの日から
ずっと望んでいた筈なのに、
いざ死ねるとなると、
胸に広がったのは予想と反し、
どす黒く渦巻く暗い闇だった。



――帰りたい。



唐突に頭に浮かんだ言葉。



帰りたい、レンドの所へ。



管理されたままで良い。
また休みの無い訓練だけの日々に
戻ったって良い。



だから、俺をレンドに会わせてくれ……。



ああ、俺は一体いつ、
こんなに弱くなったのだろう。



死を望み、母国を売っておきながら、
死にたくない、等と。



けれど。



死んだら、父の元へ、行けるのだろうか。



――母さんを、頼むな。



記憶の中に蘇る、耳障りの良い声。



自分の気持ちが解らなくなり、
俺は目を瞑って、
何も考えまいと努めた。