解ってる。 あたしは、日里に向かって笑ってみせる。 解ってる、けど……。 「でも、駄目だよ。」 例え あたしがテューロを愛していても。 「あたしは、この刑務所の、 後継ぎなんだから。」 テューロは死を望んでいるのだから。 「……そう。」 日里は あたしの答えに静かに そう返すと、 無言で部屋を出て行った。 俯せになり、枕に顔を埋める。 だから、あたしの この気持ちは、 誰にも伝えず、 お墓迄 持って行くの。