「テューロ。」
刹那は立ち上がりながら、
俺の名を呼んだ。
黙って見上げると、
刹那の金の瞳と、視線が交差した。
「貴重な情報の提供、感謝するわ。
貴方の処刑の日は――また日を追って。」
「……早めの対応を期待する。」
出来るだけ感情を込めないように
言葉を返す。
3人が出て行った後、
俺は ゆっくりと、俯いた。
躰が小さく震え、
手首に付いた枷から伸びる鎖が、
かちゃかちゃと金属音を奏でた。
――終わった。
俺の、やるべき事は全て。
後は――死ぬだけだ。
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