俺の言葉に何かを感じ取ったのか、
瞬は それ以上 追求して来なかった。
「それで?」
刹那の言葉に促され、俺は再び口を開く。
「スパイの息子は、10歳に なると
育成所と呼ばれる施設へ入る。
其処で様々な教育を受け、
卒業すると管理所と呼ばれる施設へ入り、
命令を下される。」
「テューロは、管理所の命令で
此処へ来たのね。」
それ以上 話す事が思い浮かばず、
俺は押し黙った。
些か居心地の悪い静寂が広がる。
「テューロって幾つなの?
10歳で育成所に入学するなら、
随分 早く卒業したんだね。」
明るい口調で訊いて来る日里に、
つい、いらっとした。
「帝国の情報を提供するとは言ったが、
俺個人の情報を提供するとは
言っていない。」
「ぶぅ。」
気を悪くした風も無く、
日里は頬を膨らませる。
刹那が よしよしと日里を宥めた。


