許されない恋。
あたしとテューロが、
唯の一般人であったなら、
まだ それは異端で済む。
けれど あたしは
最果ての刑務所の継承者。
テューロは帝国のスパイ。
身分も、立場も、考えも、
全てが違う。
そして あたし達は、縛られている。
叶わない恋。
解ってる。
でも、この気持ちは抑えられない。
あたしは……。
胸に手を当てて瞠目すると、
不意に日里が口を開いた。
「刹那さぁ、
ほんとに それで良いの?」
「……え……。」
思わず日里を見ると、
いつになく真剣な瞳が
此方に向けられていた。
「私はさ、昔っから、
刹那を見守る事しか出来ない。
大事な選択も、
一緒に してあげられなかった。」


