Loneliness




「最後に、テューロだ。」



名を呼ばれ、
他の2人に微かに頭を下げる。



「今日は訓練には参加しなくて良い。
共に母国を離れるのだ。
友好を深めろ。」



そう言って、所長は微笑んだ。



気の良い風を装い、
本当は これから死にゆく俺達を
嘲笑っているだけ。



「今回の目的も、今迄と同じ。
王立騎士団の弱点と、
戦争に勝つ方法を探ってくれ。」


「はい。」



リティリーが頭を下げる。
それを見て所長は満足そうに頷いた。



「健闘を期待している。」



これが、俺に向けられた、
所長の最後の言葉なのだと。



ぼんやり、思った。