Loneliness




「親父は まだ、
受け入れられないんだ。
自分の選択を。


だから、許して欲しい。
親父には時間が必要なんだ。」



そう言って頭を下げた
瞬の橙色の髪を、
俺は じっと見つめた。



この星に住む人間 全てが、
瞬のような善良な人間だったなら。



王国と帝国の間で起こっている戦争も、
起こらなかったのでは無いかと、
思ってしまったんだ。



「……別に、
お前が謝る事じゃない。」



そう呟くと、瞬は頭を上げた。



「……昨日、あの日里と言う少女が
言っていた通り、
王国にスパイとして やって来た俺には、
当然の報いだ。」



「……その事についても、
訊きたかったんだ。」



瞬は そう言うと、
格子に頭を凭れさせた。



「君、売られたって言ってたよね?」


「…………。」



出来るだけ無表情を保ちながら、
言葉の続きを待つ。