輝く未来を夢見ていたのは、
いつの事だっただろう。
諦めたようでいて、
諦めていなかった。
何が切っ掛けで、
諦めたのだろう。
前を見る事を辞めて、
下を見て歩き始めたのだろう。
下を見ていれば、
苦しさが和らぐ気がしたから。
上を見上げた瞬間、
また あの苦しみが
襲って来るような気がしたから。
まだ俺は下を見る事しか出来ないし、
もう自由に世界を見つめる事も
出来ないのだけれど。
もし、来世でも良い。
自由を手に入れる事が出来たなら。
その時は、
勇気を出して上を見上げて、
自分と ちゃんと
向き合えたら良いなと、
願ってしまうんだ。
棄てた筈の希望。
でも、少しくらい、
持っても良いんじゃないかと
思った……。