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翌朝。
食堂でレンドと共に朝食を摂った後、
所長室へと向かった。
本来ならば他のスパイと同じように
訓練に励む時間だが、
今日は共に王国へ行く面子と
顔を合わせる事に なっている。
所長室の前で、
昨日と同じように首輪の番号を確認され、
中へ通される。
部屋には既に、
所長の他に2人の男が居た。
遅れて来た非礼を慇懃に詫びると、
所長は特に気にした風も無く
話を始めた。
「明日、
お前達には王国へ行って貰う。」
所長の言葉に、俺達3人は頷いた。
「先ず、
それぞれ自己紹介を して貰おう。
今回の任務の責任者は、リティリーだ。」
所長に呼ばれて進み出たのは、
40代の男だった。
無造作に撫で付けられた茶色の髪、
グレーの瞳。
生真面目そうな顔を している。
「続いて、フェイル。」
フェイルと呼ばれた男は30代。
紫色の髪を目に掛かるように流してある。
気の強そうな黄色の瞳が
一瞬だけ俺を睨んだように見えた。


