「テューロ!!」
叫んだ あたしの肩に、
誰かの手が乗る。
振り返ると、
今日も一緒に来た
日里と瞬の顔が見えた。
「刹那、俺に任せて。」
瞬は そう言うと、
左手でテューロの前髪を掴み、
反対の手で顎を掴んだ。
無理矢理 抉じ開けられた
テューロの口から、
溜まっていた血が溢れた。
「……離せ……っ!!」
叫んだテューロの声は、
いつもより高く、
彼が正気を失いつつある事は
直ぐに解った。
「君が自殺する気を
無くしたんなら離すよ。」
対する瞬の声は、
幼子を あやすように優しい。
けれどテューロは
瞬の手から逃れようと抵抗した。
「ほっといてくれっ!!」
「ほっとける訳 無いだろう!!」
瞬が そう言った時、
不意にテューロの足が、
あたしの鳩尾に喰い込んだ。


