牛車は立派な庭園を滑り抜けていく。
雪が無いから、牛たちが力技で引っ張っているんだ。
すっごい怪力。さすがは権田原の牛。
それにしても、まぁ、立派な庭だこと!
広さもそうだけど、造りそのものが本当に素晴らしい出来栄えだ。
「見事な庭だねえ!」
「本当ですわね! 初めて見ましたけれど、これは素晴らしいですわ!」
植木の種類、庭石の配置。全体の構え。
渾然一体となった世界は溜め息が出そうなほど。
よほどの名人が作り上げた会心の庭だろう。
「なんかさ、門川の庭と同等並みのハイレベル?」
「ええ。わたくしもそう感じますわ」
・・・家来、なんだよね? 門川の。
えっらいセレブな家来だなぁ?
「端境の一族は、元は非常に由緒ある一族だったらしい」
「それが大昔、大変な失態をしでかしての。門川が総力を挙げてその尻拭いをしたんじゃ」
「なんとか一族断絶だけは免れて、以来、専属の家来になったそうだよ」
あたしとお岩さんは顔を見合わせた。
そして同時に質問する。
「大変な失態って?」
絹糸はクシクシと顔を撫でる。
「んむ、まぁ、ずいぶんと大昔の事なのでのぅ」
「忘れちゃったの? 絹糸が忘れるくらい昔の事?」
「セバスチャン、何か聞いてませんかしら?」
「さあ? わたくしめも存じ上げません」
絹糸も知らないくらいじゃ、世界の誰も知らないだろうな。
そんな大昔の事じゃねぇ、忘れられても無理ないや。
過去は埋もれて行くものだしね。
雪が無いから、牛たちが力技で引っ張っているんだ。
すっごい怪力。さすがは権田原の牛。
それにしても、まぁ、立派な庭だこと!
広さもそうだけど、造りそのものが本当に素晴らしい出来栄えだ。
「見事な庭だねえ!」
「本当ですわね! 初めて見ましたけれど、これは素晴らしいですわ!」
植木の種類、庭石の配置。全体の構え。
渾然一体となった世界は溜め息が出そうなほど。
よほどの名人が作り上げた会心の庭だろう。
「なんかさ、門川の庭と同等並みのハイレベル?」
「ええ。わたくしもそう感じますわ」
・・・家来、なんだよね? 門川の。
えっらいセレブな家来だなぁ?
「端境の一族は、元は非常に由緒ある一族だったらしい」
「それが大昔、大変な失態をしでかしての。門川が総力を挙げてその尻拭いをしたんじゃ」
「なんとか一族断絶だけは免れて、以来、専属の家来になったそうだよ」
あたしとお岩さんは顔を見合わせた。
そして同時に質問する。
「大変な失態って?」
絹糸はクシクシと顔を撫でる。
「んむ、まぁ、ずいぶんと大昔の事なのでのぅ」
「忘れちゃったの? 絹糸が忘れるくらい昔の事?」
「セバスチャン、何か聞いてませんかしら?」
「さあ? わたくしめも存じ上げません」
絹糸も知らないくらいじゃ、世界の誰も知らないだろうな。
そんな大昔の事じゃねぇ、忘れられても無理ないや。
過去は埋もれて行くものだしね。


