彼は何でもない顔であたしの言葉を聞き、そしてそのままふぃっと前を向く。
「当然だよ。君は大切な友達のひとりだ」
あぁ・・・
あたしは胸を手で押さえ、ちょっとだけ感じる痛みに耐えた。
これもまた、相変わらず。
この何とも言い難い、もどかしい感情も。
いつになったら彼は気付いてくれるのかな。
このままじゃ、気付かれないまま・・・
本当に、友達になってしまいそうな気がして少し怖い。
そしてあたしはこの胸の痛みを抱えながら、彼の結婚式に出席する事になりそうな気がする。
それは・・・耐えられないほどに怖い。
怖いんだ・・・。
つい沈みがちなあたしの表情を見ていた絹糸が、さり気なく凍雨君に声をかける。
「お前、名をなんといったかの?」
「はい。凍雨と申します」
「我は絹糸じゃ」
「はい。お初にお目にかかります。なにとぞおみゅ、お、お見知りおき・・・」
「あぁ、よいよい。普通に話せばよいわ」
「は、はい。すみません・・・」
凍雨君の白い頬が恥ずかしそうに染まった。
・・・ふふ、可愛いなぁ。
覚えがある。あたしも入試の面接練習の時には敬語に苦労したっけ。
舌が痙攣しそうだったな。
・・・どれ! あたしも自己紹介しなきゃね!
あたしは元気に片手を挙げ、笑顔で話しかけた。
「あたしは天内里緒だよ! どうぞよろしくね!」
「うあぁ! うああ~~!」
「あ、この子はね、しま子っていうの! すっごい可愛いでしょ~!?」
「は・・・はい。かわいい、です・・・」
「小娘、お前の感性を強要するでないわ。小僧が気の毒じゃろうが」
「当然だよ。君は大切な友達のひとりだ」
あぁ・・・
あたしは胸を手で押さえ、ちょっとだけ感じる痛みに耐えた。
これもまた、相変わらず。
この何とも言い難い、もどかしい感情も。
いつになったら彼は気付いてくれるのかな。
このままじゃ、気付かれないまま・・・
本当に、友達になってしまいそうな気がして少し怖い。
そしてあたしはこの胸の痛みを抱えながら、彼の結婚式に出席する事になりそうな気がする。
それは・・・耐えられないほどに怖い。
怖いんだ・・・。
つい沈みがちなあたしの表情を見ていた絹糸が、さり気なく凍雨君に声をかける。
「お前、名をなんといったかの?」
「はい。凍雨と申します」
「我は絹糸じゃ」
「はい。お初にお目にかかります。なにとぞおみゅ、お、お見知りおき・・・」
「あぁ、よいよい。普通に話せばよいわ」
「は、はい。すみません・・・」
凍雨君の白い頬が恥ずかしそうに染まった。
・・・ふふ、可愛いなぁ。
覚えがある。あたしも入試の面接練習の時には敬語に苦労したっけ。
舌が痙攣しそうだったな。
・・・どれ! あたしも自己紹介しなきゃね!
あたしは元気に片手を挙げ、笑顔で話しかけた。
「あたしは天内里緒だよ! どうぞよろしくね!」
「うあぁ! うああ~~!」
「あ、この子はね、しま子っていうの! すっごい可愛いでしょ~!?」
「は・・・はい。かわいい、です・・・」
「小娘、お前の感性を強要するでないわ。小僧が気の毒じゃろうが」


