「門川君、あたしなら平気だから」
あたしは彼の袖に両手で縋った。
確かにこれ以上はマズイしヤバイ。
絹糸が、胃に穴が開くほど心配した通りの事態になってしまう。
あたしが火種になって彼を追い詰めてしまう。
最悪の、決してあってはならない事態。そんな事にはさせられない!
「お願い、冷静になって。あたしはいいの」
「君はよくても・・・」
―― キイィィィ!!
空気が凍りつく音が聞こえそうなほど、また急速に温度が低下した。
ピシピシと霜の花が咲き乱れる。
「君が侮辱されるのは、僕が許せないんだよ」
体の芯が・・・冷たくなりすぎて痛い!!
しま子が慌ててハンテンの前を開き、あたしを抱きかかえるように包み込んだ。
絹糸が霜の付いた体をブルルと振るい、叫ぶ。
「永久! やめい!」
「ひぃぃ! 当主様が屋敷内で力を暴走させるなど!」
「前代未聞! ご乱心なされた!」
「当主様ご乱心! ご乱心だー! 誰かー!」
・・・こら騒ぐなオヤジ! さらに状況が悪化しちゃうじゃないの!
頼むから黙って! お願い静かに・・・
「皆さん、このお寒い中で、ずいぶんと熱くなっておいでですね!」
あたしは彼の袖に両手で縋った。
確かにこれ以上はマズイしヤバイ。
絹糸が、胃に穴が開くほど心配した通りの事態になってしまう。
あたしが火種になって彼を追い詰めてしまう。
最悪の、決してあってはならない事態。そんな事にはさせられない!
「お願い、冷静になって。あたしはいいの」
「君はよくても・・・」
―― キイィィィ!!
空気が凍りつく音が聞こえそうなほど、また急速に温度が低下した。
ピシピシと霜の花が咲き乱れる。
「君が侮辱されるのは、僕が許せないんだよ」
体の芯が・・・冷たくなりすぎて痛い!!
しま子が慌ててハンテンの前を開き、あたしを抱きかかえるように包み込んだ。
絹糸が霜の付いた体をブルルと振るい、叫ぶ。
「永久! やめい!」
「ひぃぃ! 当主様が屋敷内で力を暴走させるなど!」
「前代未聞! ご乱心なされた!」
「当主様ご乱心! ご乱心だー! 誰かー!」
・・・こら騒ぐなオヤジ! さらに状況が悪化しちゃうじゃないの!
頼むから黙って! お願い静かに・・・
「皆さん、このお寒い中で、ずいぶんと熱くなっておいでですね!」


