袴オヤジ集団たちの顔から、笑いが引っ込んだ。
「当主様?」
「退け」
「・・・当主様、我々はですな・・・」
「お前達、これ以上永久を怒らせるでないわ。凍死してしまう」
絹糸が冷気の中で毛並みを膨らませながら言う。
「お前達が死ぬのは一向にかまわぬが、我は巻き添えをくらう気はないのでな」
オヤジ軍団は一瞬だけ絹糸に視線を投げ、すぐに無視して門川君に話しかけた。
「よろしいですか? 当主にとって決まり事というものは・・・」
「決まり事がきいて呆れるわ。永久は当主じゃぞ?」」
「なんだと? そんな事は当然知っておる」
「その当主の前に平伏もせず、でーんと立ちはだかるなどお前ら何様じゃ? 無礼にもほどがあろう」
オヤジ軍団は再び顔を見合わせる。
バツが悪そうな表情で。
そして、そそくさと彼の前から移動した。
ほーら見なさいよ!
彼の事を心の中で見くびっているから、そういうところで思わず本音がボロッと出るのよ!
遮るものが無くなった門川君は、ゆっくり前へ進みだした。
オヤジ軍団は、まだ未練がましく手を差し出して止めようとする。
「お待ち下さい!」
「お前らしつこいわ。行くと言うものは行かせれば良い」
「口を挟むな! 絹糸!」
「嫁探し以外の当主らしい仕事もさせてやれ。お前らはあまりに永久を軽んじ過ぎる」
「なんだと!?」
オヤジ軍団がいきり立った。
「我々は当主様のためを思っているのだ!」
「ここで御無理を通せば、後で困るのは当主様ご自身なのだぞ!?」
「だいたい、お前がついていながらなんだ!? この有様は!」
「当主様?」
「退け」
「・・・当主様、我々はですな・・・」
「お前達、これ以上永久を怒らせるでないわ。凍死してしまう」
絹糸が冷気の中で毛並みを膨らませながら言う。
「お前達が死ぬのは一向にかまわぬが、我は巻き添えをくらう気はないのでな」
オヤジ軍団は一瞬だけ絹糸に視線を投げ、すぐに無視して門川君に話しかけた。
「よろしいですか? 当主にとって決まり事というものは・・・」
「決まり事がきいて呆れるわ。永久は当主じゃぞ?」」
「なんだと? そんな事は当然知っておる」
「その当主の前に平伏もせず、でーんと立ちはだかるなどお前ら何様じゃ? 無礼にもほどがあろう」
オヤジ軍団は再び顔を見合わせる。
バツが悪そうな表情で。
そして、そそくさと彼の前から移動した。
ほーら見なさいよ!
彼の事を心の中で見くびっているから、そういうところで思わず本音がボロッと出るのよ!
遮るものが無くなった門川君は、ゆっくり前へ進みだした。
オヤジ軍団は、まだ未練がましく手を差し出して止めようとする。
「お待ち下さい!」
「お前らしつこいわ。行くと言うものは行かせれば良い」
「口を挟むな! 絹糸!」
「嫁探し以外の当主らしい仕事もさせてやれ。お前らはあまりに永久を軽んじ過ぎる」
「なんだと!?」
オヤジ軍団がいきり立った。
「我々は当主様のためを思っているのだ!」
「ここで御無理を通せば、後で困るのは当主様ご自身なのだぞ!?」
「だいたい、お前がついていながらなんだ!? この有様は!」


