神様修行はじめます! 其の三

「待て永久。お前は・・・」


「行けば全てが解決するなら、僕が行くのが真っ当な道理だろう」


「いや、道理ではあるが、お前には立場が・・・」


「その立場に目が曇っていたよ。固定観念にとらわれていては事態は進まない」


冷静な目で門川君は言い切った。


そう! そうだよ門川君! あたし達は門川を変えるんだもんね!


おかしな固定観念を粉砕して、新たな道を作らなきゃ!


「あたし達がその道しるべになるんだよ!」


「ええい! お前は少し黙っておれ!」


「なによ! 今すごくいいこと言ってんのに!」


「道しるべがあってもガッツリ迷子になるようなヤツが、何を偉そうに言うか!」


「失礼ね―――!」


ギャンギャン言い合うあたしと絹糸を見ながら、セバスチャンさんが苦笑いをする。


「絹糸様のご心配もよく分かりますが、とにかく書を受け取らねば話になりませんね」


「お前まで何を言い出すか! その代償がどれほど高くつくか、分からぬお前でもあるまい!」


「そろそろ、調子に乗っている上層部の鼻を明かす必要もあります。今回は正当な理由もある事ですし」


絹糸は口をパクパクさせて・・・


はあぁぁ~~っと大きな溜め息をつきながら下を向いてしまった。