神様修行はじめます! 其の三

一般人の儀式でさえ、そんな大騒ぎするんだから。


門川当主の大事な儀式を行わない、なんて前代未聞の騒動になっちゃうだろう。


「就任の儀を行わぬ当主など、聞いた事もないしのぉ」


「ああ。やらないわけにはいかない」


「実はわたくし達もその件で参りましたのよ」


「就任の儀の日取りの連絡が、なかなか届きませんでしたので」


そか。それで心配してわざわざ駆けつけてくれたんだ。


やっぱりそれぐらい重要な儀式なんだね。


「いったい何が原因で決まんないの? その儀式」


そんな大事な儀式なら目下の最優先事項でしょ?


門川君の嫁取りうんぬん、言ってる場合じゃないじゃないの。


上層部もなに考えてんだか。まったく。


「承認の書が、ひとつだけ欠けているんだよ」

「承認の書?」


あぁそういえばさっき、そんな事言ってたっけ?

なにそれ??


「各一族の当主の名において、永久様を門川当主として認める、という書ですわ」


「全ての一族からの書が届いて、初めて儀式の段取りが行われるのでございます」


「なのに端境の一族からだけ、それが届かないんだよ」


ますます門川君が難しい顔をした。


はぁ・・・なるほど。必要書類が届かないんだ。


でもなんで? どうして届けてくれないの?


あ・・・ひょっとして!


門川君が当主になったのが気に入らないとか!?


んで、子どもっぽい嫌がらせして邪魔してんじゃないの!?