空に消えた亀の行方を目で追っていると、門川君がガサガサと手紙を広げた。
手紙には至急の印が刻印してある。
内容を目で追っていた彼の表情が難しくなった。
・・・どうしたんだろ。何か悪い知らせ?
「永久、どうした? どこからの手紙じゃ?」
「端境(はざかい)の一族からだ」
「ほう、ようやっと返事が届いたか。して中身は?」
「やはり無理だそうだ」
「ふうむ・・・」
はざかいの一族? 聞いた事ない。
無理って、なにが? いったい何の話??
「門川君、絹糸、なにかあったの? 端境の一族って?」
「端境とは、結界を司る一族じゃよ」
「その当主に、大事な書類を持ってきてもらうよう頼んでいたんだが・・・」
「大事な書類? それはひょっとして『承認の書』の事ですの?」
お岩さんが会話に入ってくる。
門川君が難しい顔のままで頷いた。
お岩さんとセバスチャンさんが顔を見合わせる。
・・・なに? どしたのよいったい?
なんかみんな、それなりに話が通じてるみたいだけれど。
あたしはぜーんぜん話が見えない。説明してよ。分かるようにちゃんと。
「『就任の儀』というものがあるんだよ」
「新当主のお披露目会のようなものじゃな」
「かなり盛大なお披露目で、正式で公式なものですのよ」
あぁ、うんうん分かる。
お岩さんの時も盛大にやったよね、それ。あたし出席したもん。
・・・・・・あれ?
「門川君って、まだそれ・・・」
「ああ。まだ僕の就任の儀が行われていないんだ」
手紙には至急の印が刻印してある。
内容を目で追っていた彼の表情が難しくなった。
・・・どうしたんだろ。何か悪い知らせ?
「永久、どうした? どこからの手紙じゃ?」
「端境(はざかい)の一族からだ」
「ほう、ようやっと返事が届いたか。して中身は?」
「やはり無理だそうだ」
「ふうむ・・・」
はざかいの一族? 聞いた事ない。
無理って、なにが? いったい何の話??
「門川君、絹糸、なにかあったの? 端境の一族って?」
「端境とは、結界を司る一族じゃよ」
「その当主に、大事な書類を持ってきてもらうよう頼んでいたんだが・・・」
「大事な書類? それはひょっとして『承認の書』の事ですの?」
お岩さんが会話に入ってくる。
門川君が難しい顔のままで頷いた。
お岩さんとセバスチャンさんが顔を見合わせる。
・・・なに? どしたのよいったい?
なんかみんな、それなりに話が通じてるみたいだけれど。
あたしはぜーんぜん話が見えない。説明してよ。分かるようにちゃんと。
「『就任の儀』というものがあるんだよ」
「新当主のお披露目会のようなものじゃな」
「かなり盛大なお披露目で、正式で公式なものですのよ」
あぁ、うんうん分かる。
お岩さんの時も盛大にやったよね、それ。あたし出席したもん。
・・・・・・あれ?
「門川君って、まだそれ・・・」
「ああ。まだ僕の就任の儀が行われていないんだ」


